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アーグラ 「イティマド・ウッダウラー廟」 美しく繊細な白大理石の霊廟
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ムガル帝国第4代皇帝ジャハーンギールの皇妃、ヌール・ジャハーンが父母のために建造した「イティマド・ウッダウラー廟(Itmad-Ud-Daulah's Tomb)」。

美しい繊細な装飾が施された白大理石の霊廟で、その透かし彫りの技法は、のちに「タージ・マハル」にも受け継がれ、地元の人からは“ベビータージ”とも呼ばれています。




ムガル帝国の栄華を伝える「アーグラ城塞」を訪れたのち、「イティマド・ウッダウラー廟」へ向かいました。
アーグラ城塞には、第4代皇帝の名前がつけられた「ジャハーンギール殿」もありましたし、ムガル帝国皇帝の歴史とともにアーグラの史跡を巡るのも、楽しみのひとつです。
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入口をすすみ、遠目に見えるイティマド・ウッダウラー廟は、白大理石の美しい建物ではあるのですが・・・
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建物に近づくと、表面や内部に施された繊細な透かし彫りや象嵌細工の美しさに、思わず息を呑みます。
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「イティマド・ウッダウラー廟」を建造したジャハーンギールの皇妃、ヌール・ジャハーンは、かつてはアフガニスタンの王子と結婚していましたが、夫を亡くしてから、捕虜としてデリーへ護送されていました。
そこで、ジャハーンギールと恋に落ち、皇妃に迎えられたのです。
当時、ジャハーンギールは、ハーレムに200~300人ほどの妾を囲っていたといわれていますから、ペルシア人で絶世の美女とされたヌール・ジャハーンは、皇帝にとって卓越した魅力があったのでしょうね。
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「ヌール・ジャハーン」とは、皇帝が贈った名前で、“世界の光”を意味しています。
ジャハーンギール帝の治世の後半は、皇妃ヌール・ジャハーンが国政を左右したため、華やかなムガル文化が開花しました。
イティマド・ウッダウラー廟は、さほど知名度はありませんが、こうしたモザイク彫刻にも見られる繊細な美しさは、ムガル建築の最高傑作とされたタージ・マハルの原点ともいえるのではないでしょうか。
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アーグラには、力強かったり、繊細な美しさだったり、時代を反映した様々な建物が点在していますが、そうした景色の背景に、それとは対照的にゆったりと流れるヤムナー河の姿も印象的でした。
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“ベビータージ”といわれるイティマド・ウッダウラー廟。
小さな建物ですが、全体に纏う繊細な透かし彫りや美しい装飾は、タージ・マハル以上にも思われました。
観光客も少ないので、心穏やかに、ムガル文化の美を思う存分感じられる、おすすめスポットです。
by meg0307 | 2011-07-29 12:15 | *インド